その男が学校を卒業して入社した会社は、とある機械メーカーであった。
部門別採用をしていたその会社で、海外営業職を募集しており、
学生時代に海外旅行を通じて「世界で働きたい」という漠然とした思いをもっていたその男は入社試験を受けて入社することになった。
希望していた通り、入社後まもなく海外出張の機会が多々あり、欧州・北米・アジア圏とパスポートの入国スタンプが溜まっていくこととなる。
世界で働く、という希望を実現させてはいたが、海外出張の無い時は神奈川県にある工場の中で現場作業の日々。
入社して3年が過ぎた頃、同期や先輩・後輩が立て続けに退職する職場環境もあり、このままこの会社にいていいのだろうか、と思う日々が続いていた。
そんな中、ベトナムのハノイというところに出張する話が入ってきた。

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